岩手県水産技術センターArchives -岩手の水産研究、水産業関連機関が連携した、実証研究成果の情報発信サイト-

研究開発の具体的内容

研究課題

イメージ背景
  • 研究課題1
    天然資源への影響を軽減した持続的な漁業・養殖業生産システムの実用化・実証研究
  • 研究機関:
    国立研究開発法人水産研究・教育機構(中央水産研究所、東北区水産研究所、瀬戸内海区水産研究所、水産工学研究所)、岩手県水産技術センター、国立大学法人岩手大学、国立大学法人東北大学、国立大学法人北海道大学、国立大学法人広島大学、学校法人北里研究所北里大学、石村工業株式会社、一般社団法人漁業情報サービスセンター、スタンレー電気株式会社

漁業・養殖業活動の支えとなる三陸沿岸の海況予測システムを構築するとともに、基幹産業であるワカメ養殖、サケ漁業に効率的なシステムを導入することにより、漁業生産の向上と収益の増大を図る。

これらの実証研究を行うことにより、復旧支援にとどまることなく、岩手県水産業を効率的な漁業、養殖業生産システムへと進化させ、水産業の低コスト化、高収益化を実現しつつ、水産物の供給基地としての機能を強化することに貢献する。

  • 研究課題2
    地域資源を活用した省エネ・省コスト・高付加価値型の水産業・水産加工業の実用化・実証研究
  • 研究機関:
    国立研究開発法人水産研究・教育機構(中央水産研究所、水産工学研究所、水産大学校)、岩手県水産技術センター、大船渡魚市場株式会社、大船渡湾冷凍水産加工業協同組合、有限会社三陸とれたて市場、フジデノロ株式会社、大和製衡株式会社、株式会社ニレコ、協同組合マリンテック釜石、三陸いりや水産株式会社、公益財団法人岩手生物工学研究センター、国立大学法人東京海洋大学、公益財団法人函館地域産業振興財団北海道立工業技術センター、株式会社フロンティアエンジニアリング、ニチモウ株式会社、国立大学法人北海道大学大学院水産科学研究院、国立大学法人広島大学、株式会社西日本流体技研、国立大学法人岩手大学、釜石湾漁業協同組合、有限会社泉澤水産、釜石ヒカリフーズ株式会社、株式会社川秀、株式会社井戸商店、株式会社マルサ嵯峨商店、学校法人日本大学、高砂熱学工業株式会社

岩手県は三陸沖の豊かな漁場を有し、サバ、サンマ、サケ、スルメイカ、ツノナシオキアミ(イサダ)などが豊富に漁獲され、鮮魚あるいは加工用原料として出荷されてきたが、隣県の宮城県には気仙沼市、石巻市等、東北地方を代表する有力な水産加工地域があるため、岩手県内で高付加価値型加工はほとんど行われてこなかった。再び三陸産の水産物を国民に安定して供給するため、岩手県において水産物・水産加工品を低コストで高い付加価値を付け、漁業者・漁協の収益を向上させることが急務である。

本研究では、震災により漁業・漁村に甚大な被害が発生した岩手県の釜石市周辺の研究実証地区において、これまでに開発された漁業関連先端技術等の適用化、実証及び既存技術の改良や先端技術との融合試験を実施し、省エネ・省コスト・高付加価値型の実用化技術体系を確立する。もって岩手県のみならず、被災地の水産業全体についても水産物の付加価値向上による収入の増加と生産コストの削減を図り、被災地を水産食料生産地域として復興させることを目的とする。

  • 研究課題3
    自然エネルギーを利用した漁村のスマートコミュニティ化技術実用化・実証研究(28年度から研究課題2へ統合)
  • 研究機関:
    ミツイワ株式会社、株式会社シーイーシー、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
  • 研究課題4
    アワビの緊急増殖技術開発研究(28年度から研究課題1へ統合)
  • 研究機関:
    研究機関:国立研究開発法人水産研究・教育機構(東北区水産研究所)、岩手県水産技術センター、国立大学法人東京大学

東北地方太平洋沖地震とそれに伴う大津波によりアワビ種苗生産施設が全滅し、資源の底上げを目的として行われた種苗放流事業が当面の間実施できなくなった。

さらに、天然漁場では大津波による海底攪乱により、震災当時0~1歳の稚貝が特に目立って減少した。

これらのことから、これから漁獲加入する年級群が複数年にわたり減少することが予想され、将来的なアワビ資源量の低迷が懸念される。

本課題では、被災したアワビ種苗生産体制の早期復興に際して、従来よりも効率的種苗生産技術を開発し、生産コスト削減効果等を分析したうえで漁協等へ技術移転を行うことを目的とする。

また、攪乱により減少した資源を維持し回復させながら漁業を可能とする資源管理・増殖方策を明らかして資源管理の主体となる漁業団体等に情報発信する。
(※ 平成28年度からは研究課題1「天然資源への影響を軽減した持続的な漁業養殖生産システムの実用化・実証研究」へ統合。中課題として継続。)