令和4年度 岩手県水産技術センター業務方針(令和4年4月18日)
組織プロフィール
「いわて県民計画(2019~2028)」と連動した水産業の再生と、長期計画である「『農林水産技術立県いわて』技術開発基本方針」、岩手県水産試験研究中期計画に基づく、漁場環境から生産、加工、流通、消費に至るまでの一貫した調査研究と普及指導に取り組み、漁業及び水産流通・加工業の発展を支援していきます。
主な業務
- 1 操業の効率化や資源管理等のための技術と情報の提供
- 2 増殖種苗の確保や資源管理等のための技術と情報の提供
- 3 養殖種苗の確保、養殖管理の適正化・効率化、安全確保や漁場環境保全のための技術と情報の提供
- 4 加工品や製品開発、高鮮度流通のための技術と情報の提供
- 5 食の安全に関する調査結果、沿岸環境の実態及び水産資源の動向等に関する情報の提供
組織を取り巻く環境
- 1 東日本大震災津波等からの復興に向けた対応
- (1)東日本大震災津波や度重なる台風被害等から漁業と流通業・加工業の一体的な復興が進んでいます。
- (2) 近年は秋サケ、サンマ等主要魚種の漁獲が激減し、一方でマイワシ等の漁獲が増加するなど、資源動向が大きく変化しています。
- (3) ワカメやホタテガイ等の養殖生産量、アワビやウニ等の採介藻漁業生産量は震災前の水準には回復しておらず、特に、アワビの資源回復の遅れは、餌料となる大型海藻類の繁茂量の減少等が指摘されています。
- (4)近年、県内では、静穏水域や水温の地理的優位性を生かした海面でのサケマス養殖が始まっています。
- (5)麻痺性貝毒による出荷規制が広域化かつ長期化しています。
- (6)漁業就業者は高齢化と後継者不足により、依然として減少傾向にあります。
- 2 新型コロナウイルス感染症対策とコロナ禍における価値観の変化
- 新型コロナウイルス感染症による水産物の需要や価格の低下といった問題が発生しているほか、外食からテイクアウトや宅食への移行が進んでいます。
- 3 気候変動への対応
- 気候変動が進む中、海水温上昇への対応のほか、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロへ向け、水産分野においても様々な取組みが求められています。
- 4 県民の信頼回復
- 令和2年2月16日に、元職員が起こした酒気帯び運転・死亡事故事案により、失墜させてしまった信頼の回復に向けて取組を進める必要があります。
本年度の業務における主要課題(担当部署)
- 1 漁業経営の高度化・安定化に関する研究(企画指導部)
- 2 食の安全・安心の確保に関する技術開発
- (1) 二枚貝等の貝毒に関する研究(漁場保全部)
- 3 生産性・市場性の高い産地形成に関する技術開発
- (1) 秋サケ増殖に関する研究(漁業資源部)
- (2) アワビ・ウニ等の増殖に関する研究(増養殖部)
- (3) 海藻類養殖の生産効率化に関する研究(増養殖部)
- (4) 二枚貝等養殖の安定生産に関する研究(増養殖部)
- 4 水産資源の持続的利用のための技術開発
- (1) 漁業生産に影響を与える海況変動に関する研究(漁業資源部)
- (2) 定置網及び漁船漁業における主要漁獲対象資源の持続的利用に関する研究(漁業資源部)
- (3) 震災による磯根資源への影響を考慮したアワビ・ウニ資源の持続的利用に関する研究(増養殖部)
- 5 いわてブランドの確立を支援する水産加工技術の開発
- (1) 加工技術の開発に関する研究(利用加工部)
- (2) 県産水産物の特徴等を生かした加工品開発等に関する研究(利用加工部)
- (3) 県産水産物の高鮮度流通に関する研究(利用加工部)
- 6 恵まれた漁場環境の維持・保全に関する技術開発
- (1)主要湾の底質環境に関する研究(漁場保全部)
- (2)県漁場環境保全方針に定める重点監視水域(大船渡湾・釜石湾)の環境に関する研究(漁場保全部)
- (3) ワカメ養殖漁場の栄養塩に関する研究(漁場保全部)
- 7 漁村復興を担う地域リーダーの活動支援及び新規就業者の定着支援(水産業普及指導員)
- 8 サケマス類の海面養殖に関する支援(利用加工部、漁場保全部)
- 9 ブルーカーボンに関する研究(増養殖部)
組織運営課題
- 1 働き方改革の実現
- 2 内部統制
- 3 その他業務推進に当たっての組織運営上の基本姿勢・行動指針等