ニュースNo89(ヨーロッパヒラガキの国内定着を初確認)

各種情報一般(PDFファイル)のダウンロードページはこちら

Pocket

令和6年6月6日発行

岩手県水産技術センターの寺本沙也加専門研究員らによる研究グループは、岩手県山田湾から見つかったカキが「ヨーロッパヒラガキ」(以下ヒラガキ)であることを確認し、本種が国内に定着していることを明らかにしました。
これまで日本において野外での定着は不明とされ、天然海域での分布拡大の可能性は低いと考えられてきた、ヒラガキの長年の定説を覆す国内初事例となる研究結果を提示することで、今後のヒラガキ研究の発展に寄与することが期待されます。
ヒラガキは、世界的に水産有用種として知られている欧州原産のカキの仲間で、古くから重要な食糧源として利用されてきました。日本には73年前に欧州から持ち込まれ、岩手県や宮城県などで養殖試験が行われていましたが、その後、国内から消滅したと考えられていました。しかし、本研究により、その後も生き残り、少なくとも岩手県沿岸で再生産していることが明らかになりました。当センターでは、今後、新規養殖対象種としての利用を検討していきます。
本研究成果は、2024年5月31日に、日本貝類学会が刊行する国際学術誌Venus (Journal of the Malacological Society of Japan)にオンライン(https://www.jstage.jst.go.jp/article/venus/82/1-4/82_133/_article/-char/ja)で掲載されました。
詳しくは、プレスリリース(https://www2.suigi.pref.iwate.jp/wp-content/uploads/2024/06/20240606news002.pdf)をご覧ください。
20240606news001
ヨーロッパヒラガキ