各部紹介-利用加工部

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利用加工部

消費者への安全・安心な水産物の提供~水産食品の品質・衛生管理の高度化~

水産技術センター利用加工部では、岩手県沿岸に水揚された漁獲物の付加価値を高め、安全・安心で高品質な岩手の水産物・水産加工品を提供し、消費者の方々に健康で豊かな食生活を営んでもらえるよう、業務の推進に努めております。
また、水産加工を営む方々のために、水産加工開放実験室を設置するとともに、HACCP(危害分析重要管理点)方式を取り入れた加工相談などを行っております。

生産・管理工程のシステム開発~養殖ワカメ加工作業の省力化と高品質への取組み~


トリーメータによる迅速鮮度評価法
魚の品質において、鮮度が良いことは最も重要で取引価格に大きく反映しますが、現在、市場等の鮮度判定の主流は、眼や魚体のはり、エラの色、においなど官能的な方法で評価しているのが通常で、客観的な鮮度判定法が求められています。研究では、魚の死後起こる成分変化から、K値といった鮮度指標が確立されており、保管温度と時間に依存します。しかしK値の測定法は手間と時間を要するため、現場ではあまり導入が進んでおりません。
一方、ヨーロッパでは電気抵抗を利用したトリーメーターが鮮度管理に使われますが、我が国では他国に比較し鮮度管理が厳しいため、鮮度変化が少ない国内流通で通用するか疑問がありましたが、本法を適用したところ、サバ、サンマ等では十分鮮度評価が可能と考えられます。

水産資源からの新たな価値の創造~未利用・低利用資源の利用法の開発~


イクラ
サケ卵から作られるイクラ加工品は、サケ生産額の7割を占めている産業的に重要な加工種です。原料は、産卵のため沿岸に帰ってくる卵で作られますが、性成熟が進んだ卵を用いた商品は、口に入れたとき硬く、歯で潰したとき膜が舌にざらつく食感が残るため、品質的に劣るものと市場では評価されています。この卵膜の硬化は卵を取り出す前はあまり硬くないのですが、特に熟成の進んだ卵ほど、加工等で時間が経過する間に、保管温度と時間に応じて硬く弾力があるものに変化します。その状態を把握する客観的な評価指標を考案するとともに、その科学的現象面から考察し、有機酸塩を加えた液に卵を浸漬することでを硬化を防止する技術を開発しました(特許3583409号)。現在、既に県内企業と実施契約を締結し、その活用が期待されているところです。

付加価値を高めた高次加工品の開発・促進

高齢者向け介護食品の開発
わが国において高齢者人口は増加の一途をたどっています。センターでは、これら高齢者の食の楽しみや意欲をかき立て、健康維持・増進に役立ち、要支援・要介護状態になることを予防する食品の開発に取り組んでいます。この食品は、食材の形を残しながら(何を食べているのか分かることにより、食べる意欲をかき立てる)、ユニバーサルデザインフード(UDF)区分1(容易にかめる)をクリアしたものを目標としています。サンマ、サバ等に比べて、加熱加工後に硬くなるサケを材料に、加熱前に酵素処理を行うことにより、確実にUDF区分1をクリアする食品を作ることが出来ました。この食品は、現在グループホーム等老人施設において試験的に使用して頂き好評を得ています。将来的には、市販化し、家庭介護を受けている方々にも広く利用して頂くことを目指しています。

高鮮度・高品質のための加工・流通技術の開発


生ウニ等高鮮度保持加工技術開発
生ウニは美味しい水産物の一つですが、日持ちがしないために、漁獲された近隣地域での消費がそのほとんどを占めます。この生ウニの日持ちを向上させることが出来れば、首都圏等の大消費地に出荷することが出来、ウニの消費拡大に繋がるものと考えられます。生ウニの日持ちが短いのは、低温細菌と言われる腐敗菌の増殖によるものと考えられています。私たちは、この低温細菌を低濃度の酢酸(食酢)を用いて殺菌すことが出来ることを確認しました。また、同時に大腸菌群も殺菌されたことから、食中毒の発生防止にも役立つと考えられます。なお、酢酸の濃度は極めて低いため、食酢の臭いや味はウニに移行していませんでした。今後は、これによってどの程度日持ちがよくなるのか確認していく予定です。

※利用加工部へのお問い合わせ
電話番号:0193-26-7916