2018年サケ稚魚放流情報No3

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平成30年3月28日

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県内5カ所の湾内の表面水温は6~9℃台で、平年並~3℃程度高め、前年から1~2℃低めとなっております。

動物プランクトン沈殿量は、例年よりも少なくなっていますが、水温が上昇した県南部では増加しておりますので、十分に成長させた稚魚の放流を進めてください。なお、飼育管理に当たっては、飼育密度が超過しないよう調整放流等を適宜行ってください。

1.漁業指導調査船「北上丸」の調査結果

(1)表面水温(℃)

  宮古湾 山田湾 唐丹湾 越喜来湾 大船渡湾
観測値(3/19、20) 6 6.2 6.3 7.8 9.2
平年* 6.3 6.2 5.3 5.8 6.7
前年同期 8.2 8.2 8.3 8.2 8.1

県南部ほど表面水温は高く6~9℃台、各湾ともに平年並~3℃高め、大船渡湾(前年から1℃高め)を除いて前年から1~2℃低めとなっています。
(2)動物プランクトン沈殿量(ノルパックネット鉛直20m曳き、ml/m3)

  宮古湾 山田湾 唐丹湾 越喜来湾 大船渡湾
観測値(3/19、20) 0.12 0.03 0.24 0.53 0.65
平年* 0.88 0.56 0.43 0.51 0.77
前年同期 0.79 0.13 0.65 0.74 0.21

沈殿量は、唐丹湾以北で平年および前年と比べてきわめて少なくなっていますが、越喜来以南では増加が見られています。

2.山田湾における水温・塩分・動物プランクトン連続モニタリング結果**

(1)氷場及び沖の沢漁場において、音響機器(プロファイラー)で連続観測を実施しています。
(2)平成30年3月27日現在、氷場漁場は水温6.4℃、塩分33.02、沖の沢漁場は水温5.6℃、塩分33.44となっており(図2)、低温・低塩分水の分布が認められています。
(3)3月下旬の解析結果によると、山田湾の水温は、4月中旬が平年よりやや高め(7.88℃、ばらつき7.32~8.28℃)、4月下旬も平年よりやや高め(8.57℃、ばらつき7.83~9.12℃)と予測されています。

3.その他

いわて大漁ナビの定地水温情報・衛星画像や、当センター発行の海況情報等も参考にしてください。

* 平年は過去13~15年間の同期の平均値。
** 先端技術展開事業「天然資源への影響を軽減した持続的な漁業・養殖業生産システムの実用化・実証研究委託事業」による研究成果(モデル海域:山田湾)

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図1 5湾における動物プランクトン沈殿量,表面水温の季節変化

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図2 山田湾における水温・塩分の日変化(平成30年3月27日現在)