2025年サケ稚魚放流情報No4

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令和7年4月16日

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4月上旬の各湾内の表面水温は8~9℃台であり、野田湾以外で平年よりも高めの傾向となりました。また、4月上旬の動物プランクトン沈殿量は、山田湾及び大船渡湾で平年よりも多い傾向となったほか、野田湾以外で前年よりも多い傾向となりました。

本県北部から中部沖を中心に波及していた親潮が、徐々に後退しています。4月下旬には津軽暖流が本県沿岸域を優占する傾向にあり、親潮の波及は沖に離れると予測されます。1.5g程度※1のサイズの稚魚については、沿岸域の海況及びプランクトン量を考慮し、放流時期を選定してください。

1.表面水温(℃)

  野田湾※2 宮古湾 山田湾 唐丹湾 越喜来湾 大船渡湾
観測値(4/8,10) 8.1 9.1 9.5 8.2 8.2 8.9
平年*3 8.7 7.9 7.4 7.7 7.7 8.1
前年同期 7.8 8.7 8.2 12.2 12.7 11.7

4月上旬の各湾の表面水温は8~9℃台であり、野田湾を除き、平年より高い傾向でした。なお、山田湾以北は前年よりも高い傾向でしたが、唐丹湾以南では、極端に水温が高かった前年と比較して、2~5℃程度低い傾向となりました(図1)。

2.動物プランクトン沈殿量(ノルパックネット鉛直20m曳き、mL/m3)

  野田湾※2 宮古湾 山田湾 唐丹湾 越喜来湾 大船渡湾
観測値(4/8,10) 0.31 1.32 2.50 0.66 0.73 1.19
平年*3 0.34 1.41 1.00 1.39 1.14 0.98
前年同期 0.53 0.63 0.17 0.25 0.16 0.09

4月上旬は、山田湾及び大船渡湾で平年よりも多い傾向であり、特に山田湾では3月下旬から大きく増加しました。前年同期は野田湾を除き、極めて少ない傾向でしたが、本年度は宮古湾以南で前年よりも多い傾向となりました(図1)。
本県北部から中部沖を中心に波及していた親潮は後退傾向にあります。4月下旬も沖には親潮の波及がありますが、沿岸域は徐々に津軽暖流が優占する見込みです。現時点で未放流の稚魚は後期採卵群由来であり、大半の稚魚は既に放流済みと考えておりますが、各湾の海況や動物プランクトン量、稚魚のサイズを考慮のうえ、残りの稚魚の放流時期をご検討ください(図2,3)。

3.その他

(1) 北上丸による沿岸海洋観測・動物プランクトン発生状況調査(5湾)及び当センター並びに県北広域振興局水産部による野田湾の観測調査によるものです。
(2) いわて大漁ナビ(https://www.suigi.pref.iwate.jp/)の定地水温情報・衛星画像や当センター発行の海況情報等も参考にしてください。
※1 熊野川の大規模実証試験において、2月放流の場合、放流時のサイズが大きいほど回帰率が高い傾向がある。
※2 野田湾は4月8日に観測・調査を実施。
※3 平年は過去20~22年間の同期の平均値。野田湾はH17、H19及びR3~6の6年間の調査結果の平均値。

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図1 6湾における動物プランクトン沈殿量及び表面水温の月旬毎の変化
※水温値が欠落している箇所は欠測であり、併せて同期の沈殿量データも欠落している。
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図2 令和7年4月14日の海面水温図
※気象庁HP(気象庁 | 海面水温実況図 (jma.go.jp))より引用
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図3 令和7年4月28日の海面水温予測図
※気象庁HP(気象庁 | 海面水温予想図 (jma.go.jp))より引用

漁業資源部(担当:岡部)
TEL: 0193-26-7915