令和7年11月19日発行
漁業指導調査船岩手丸が実施した11月(10月29日~11月5日実施)の海洋観測結果によると、0海里表面での栄養塩濃度は4.7~17.0μg/Lでした(図1)が、黒埼は低気圧の通過後の観測であったことから、時化により栄養塩が豊富な低層の海水との混合が進み、最も高い値になりました。
岩手丸の観測データと栄養塩の実測値を基に、50日先の11月(図2)および12月(図3)におけるワカメ養殖漁場の栄養塩が20μg/L※を超える確率を予測したところ、黒埼100%、トドヶ埼0~95%、尾埼 0%、椿島0~86%となりました。
※ワカメ種苗の巻き込み時に必要とされる栄養塩濃度
尾埼は12月も確率は0%となりました(栄養塩の実測値が75m深においても13μg/L台と低い値であったため、確率が低く計算された)が、11月上旬の低気圧通過による時化により混合が進み、11月11日の船越湾吉里吉里漁場における栄養塩の実測値は35.2μg/Lとなっており、現在は尾埼周辺でも20μg/Lを超えていると考えられます。
トドヶ埼では11月下旬から、椿島では12月中旬以降からと、遅い時期に20μg/Lを超える予測となりましたが、尾埼と同様の理由で現在の栄養塩は20μg/Lを超えていると考えられます。
各漁協で測定している前浜の栄養塩情報を確認して、ワカメ種苗の巻込み作業を行ってください。



*栄養塩供給予測のためのソフトウェア開発は、農林水産省 農林水産技術会議による「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」による成果です。
*本予測は、岩手丸の海洋観測日(採水日)から50日先まで可能です。
*本予測は、岩手丸の海洋観測日(採水日)から50日先まで可能です。
(参考)三陸沿岸の水温情報サイト
「いわて大漁ナビ」
県内6湾の定地水温情報を1時間毎に確認できるほか、人工衛星画像で沖合の水温状況も把握できます。
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いわて大漁ナビ
問い合わせ:漁業保全部・髙木
TEL:0193-26-7919