2011年岩手県沿岸漂流物分布調査結果

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岩手県沿岸漂流物分布調査結果No1(平成23年5月27日)

平成23年5月11~12日と23~25日に岩手県漁業指導調査船北上丸で目視により宮古湾から大船渡湾にかけて漂流物の分布調査を行いましたので、その結果をお知らせいたします。

5月11~12日

表面水温は、9~12度台で、山田湾、釜石湾、吉浜湾周辺に潮目が形成されていました。漂流物は、1m未満のサイズが山田湾、釜石湾、首埼周辺、1~2mのサイズが山田湾、御箱埼、尾埼、首埼周辺、2m以上のサイズが尾埼と大船渡湾周辺にそれぞれ高密度域が認められました。

図1 5 月11~12日の漂流物分布図

5月23~25日

表面水温は、10~12度台で、釜石から綾里埼にかけてと大槌湾付近に潮目が形成されていました。漂流物は、1m未満のサイズが尾埼から吉浜湾に至る海域と、山田湾、および大船渡湾周辺、1~2mのサイズが山田湾、御箱埼、尾埼周辺、2m以上のサイズが山田湾、尾埼、大船渡湾周辺にそれぞれ高密度域が認められました。

図2 5 月23~25 日の漂流物分布図

漂流物組成

観察された漂流物は、5月11~12日には主に材木や建材、漁業用資材、流木、発泡片など様々でしたが、5月23~25日には材木片や漁業用資材のほか、プラスチック小片が大部分を占めていました。サイズ別の組成は、5月11~12日には1m未満から2m以上のサイズまで様々なサイズで構成されていましたが、5月23~25日には1m未満の占める割合が高くなり、2m以上の大型漂流物が減少していました。

岩手県沿岸漂流物分布調査結果第2号(平成23年6月8日)

平成23年6月6~7日に岩手県漁業指導調査船北上丸で目視により宮古湾から大船渡湾にかけて漂流物の分布調査を行いましたので、その結果をお知らせいたします。
6月に入り、大型の材木類は減少している一方、漁具類や小型のプラスチック類などの占める割合が高くなっており、顕著な潮目を中心として局在する傾向が強まっているとみられます。

平成23年6月6~7日

表面水温は、11~13度台で、山田湾口部から首埼にいたる広い海域で潮目が形成されていました。漂流物は、この潮目に沿って分布していました。漂流物水平分布をサイズ階級別にみると、1m未満のサイズは閉伊埼沖から船越半島周辺に至る海域、釜石湾から首埼に至る海域、大船渡湾口部周辺で広範囲に分布していました。1~2mのサイズは山田湾、釜石湾、唐丹湾付近の顕著な潮目周辺で高密度域が認められました。2m以上のサイズは宮古湾、山田湾、唐丹湾の湾口部、御箱埼周辺、綾里埼周辺に散在していました。

図1 6 月6~7 日の漂流物分布図

漂流物組成

観察された漂流物を、漁具類、発泡片、材木類、流木、プラスチック類、その他に大別し、それぞれの遭遇率を求めた結果を図2に示します。5月11~12日の以降、陸上から流失したと思われる材木類は徐々に減少傾向を呈している一方、漁具類やプラスチック類の占める割合が高くなっていました。

観察された漂流物のサイズ組成の推移を図3に示します。5月11~12日の以降、2m以上の大型漂流物の占める割合は低下傾向を示しており、1m未満の小型の漂流物が大部分を占めるようになってきています。

問い合わせ先

漁業資源部(後藤)電話:080-1853-1795(直通)/E-mail:t-gotou@pref.iwate.jp