平成29年3月17日発行
3月16日の定地水温は、野田湾で6.9℃(過去平均差+0.6℃)、船越湾で7.8℃(過去平均差+2.0℃)、広田湾で7.5℃(過去平均差+1.5℃)です(図1)。
本県沿岸10海里(19km)以内の表面水温は、県北部で6~7℃台、県中部で7~8℃台、県南部で8℃台です (図2)。
異常冷水現象(沿岸域で5℃以下の水温が2週間以上持続)は、4月上旬までは発生する可能性は低いと判定されました。
県南部湾内定点の栄養塩濃度は、平年よりも低めですが、特に問題ないレベルとなっています(3月14日)。
岩手丸の3月沖合観測結果から、沿岸10海里地点の表層の栄養塩減少予測を行い、気温が極度に温暖で推移したとしても栄養塩が30μg/Lを下回るのは、黒埼定線、トドヶ埼定線、尾埼定線で4月中旬、椿島定線で4月中下旬頃となる見込みです。
岸に近いワカメ漁場では、栄養塩が30μg/Lを下回る時期が沿岸10海里地点よりも早いと予想されますので、栄養塩や水温の動きに注意し収穫を進めてください
凡例:①気温が極度に温暖 ②相当温暖 ③やや温暖 ④例年の範囲で温暖⑤例年の範囲で寒冷 ⑥やや寒冷 ⑦相当寒冷 ⑧極度に寒冷
※温暖で推移するほど栄養塩の減少が早くなります。
*湾内自動水温観測装置(定地)水温観測システムの設置、水温予測のためのソフトウエア開発及び沖合栄養塩データの分析は、農林水産省農林水産技術会議による「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」による成果です。なお、定地水温の値は、午前10時の水温を採用しています。
(参考)三陸沿岸の水温情報サイト
「いわて大漁ナビ」
県内6湾の定地水温情報を1時間毎に確認できるほか、人工衛星画像で沖合の水温状況も把握できます。