平成29年5月10日
宮古、山田、唐丹、越喜来、大船渡の各湾の表面水温は、サケ稚魚の成長速度が最も大きくなる10℃前後*1となっており、また、各湾の動物プランクトン現存量も増加傾向にあります。
放流適期(5月上旬まで)は過ぎていますので、ふ化場で飼育している稚魚については、速やかに放流して下さい。
1.表面水温(℃)
宮古湾 | 山田湾 | 唐丹湾 | 越喜来湾 | 大船渡湾 | |
観測値 (4/25,27) | 9.3 | 9.4 | 8.4 | 9.9 | 10.9 |
平年*2 | 8.5 | 8.6 | 7.8 | 8.1 | 9.4 |
前年同期 | 10.0 | 9.5 | 9.4 | 9.8 | 10.8 |
平年比では0.6~1.8℃程度高め、前年比では1℃程度低め~前年並みであり、いずれの湾もサケ稚魚の成長速度が最も大きくなる10℃前後となっています。
2.動物プランクトン沈殿量(ノルパックネット鉛直20m曳き、ml/m3)
宮古湾 | 山田湾 | 唐丹湾 | 越喜来湾 | 大船渡湾 | |
観測値 (4/25,27) | 2.70 | 3.81 | 1.83 | 1.23 | 0.39 |
平年*2 | 2.62 | 1.46 | 2.79 | 3.20 | 1.33 |
前年同期 | 1.10 | 2.32 | 0.59 | 0.53 | 0.14 |
平年と比較して山田湾以北は上回り、唐丹湾以南は下回る値となっていますが、各湾とも増加傾向にあり、前年同期と比較して大きく上回る値となっています。
3.今後の水温の見通し*3
1ヵ月後(6月上旬)の山田湾の水温は、やや高い~極めて高い(12.2~13.4℃)と予測され、6月上旬には適水温(5~13℃)を超える見込みとなっています。
4.その他
平成28年級のサケ稚魚放流に係る情報については、本号をもって終了します。
*1 稚魚の成長速度は1.0mm/日に達し、概ね尾叉長80mm以上が離岸サイズであることから、50mmの稚魚を放流する場合、5月上旬までに放流を終わらせて6月上旬まで30日間確保することが重要。
*2 平年は過去12~14年間の同期の平均値
*3 先端技術展開事業「天然資源への影響を軽減した持続的な漁業・養殖業生産システムの実用化・実証研究委託事業」による研究成果(モデル海域:山田湾)