平成30年4月18日
県内5カ所の湾内の表面水温は7~8℃台で、平年並~1℃程度高めとなっています。
動物プランクトン沈殿量は、増加傾向にありますので、稚魚の放流を進めてください。
なお、放流サイズに達していない稚魚の飼育管理に当たっては、飼育密度が超過しないよう池分散等を適宜行って、十分に成長させてから放流してください。
1.漁業指導調査船「北上丸」の調査結果
(1)表面水温(℃)
宮古湾 | 山田湾 | 唐丹湾 | 越喜来湾 | 大船渡湾 | |
観測値(4/9、10) | 7.5 | 7.5 | 7.3 | 7.4 | 8.9 |
平年* | 7.8 | 7.2 | 7.2 | 7.4 | 7.8 |
前年同期 | - | - | - | 9.2 | - |
県南部で表面水温は高く7~9℃台、各湾ともに平年並~1℃高めとなっています。
(2)動物プランクトン沈殿量(ノルパックネット鉛直20m曳き、ml/m3)
宮古湾 | 山田湾 | 唐丹湾 | 越喜来湾 | 大船渡湾 | |
観測値(4/9、10) | 2.62 | 0.76 | 0.1 | 0.37 | 2.81 |
平年* | 1.5 | 0.91 | 1.52 | 1.35 | 0.97 |
前年同期 | - | - | - | 0.25 | - |
沈殿量は増加傾向にあり、唐丹湾、越喜来湾で平年を大きく下回っていますが、山田湾で平年並み、宮古湾、大船渡湾では平年を大きく上回っています。
2.山田湾における水温・塩分・動物プランクトン連続モニタリング結果**
(1)氷場及び沖の沢漁場において、音響機器(プロファイラー)で連続観測を実施しています。
(2)平成30年4月17日現在、氷場漁場は水温7.2℃、塩分33.24、沖の沢漁場は水温6.3℃、塩分33.51となっており(図2)、氷場漁場で低温・低塩分水の分布が認められています。
(3)4月中旬の解析結果によると、山田湾の水温は、5月上旬は平年並(8.79℃、ばらつき8.65~8.94℃)、5月中旬は平年よりもやや高め(10.08℃、ばらつき9.69~10.39℃)と予測されています。
3.その他
いわて大漁ナビの定地水温情報・衛星画像や、当センター発行の海況情報等も参考にしてください。
* 平年は過去13~15年間の同期の平均値。
** 先端技術展開事業「天然資源への影響を軽減した持続的な漁業・養殖業生産システムの実用化・実証研究委託事業」による研究成果(モデル海域:山田湾)