令和元年5月8日
4月に入って、湾内の表面水温は急上昇していますが、餌量は全体的に多めに推移しています。
今年度の放流は、一部を残してほぼ終了していますが、放流した稚魚の生息環境は、概ね良好な年だったと考えられます。
1.表面水温(℃)
宮古湾 | 山田湾 | 唐丹湾 | 越喜来湾 | 大船渡湾 | |
観測値(4/22、23) | 10.4 | 10.1 | 9.9 | 9.8 | 10.3 |
平年* | 8.7 | 8.6 | 8.1 | 8.4 | 9.7 |
前年同期 | 9.7 | 8.7 | 9.8 | 11 | 12.7 |
各湾の表面水温は、平年と比較して1~2℃程度高め、前年同期と比較して、2℃低め~1℃高めとなっており、4月に入って急激に上昇しています(図1)。
2.動物プランクトン沈殿量(ノルパックネット鉛直20m曳き、ml/m3)
宮古湾 | 山田湾 | 唐丹湾 | 越喜来湾 | 大船渡湾 | |
観測値(4/22、23) | 3.14 | 1.94 | 2.19 | 10.25 | 1.95 |
平年* | 2.65 | 1.56 | 2.53 | 2.89 | 1.36 |
前年同期 | 3.02 | 0.53 | 0.61 | 0.84 | 2.72 |
動物プランクトン沈殿量は、平年と比較して、各湾とも多くなっており、前年と比較して、大船渡湾で少ない他、各湾ともきわめて多くなっており、全体的に餌量は多めに推移しました(図1)。
3.山田湾における水温・塩分・動物プランクトン連続モニタリング結果**
(1)氷場漁場において、音響機器(プロファイラー)で連続観測を実施しています。
(2)令和元年5月7日現在、氷場漁場は水温9.56℃、塩分33.84となっています(図2)。
4.その他
(1)北上丸による沿岸海洋観測・動物プランクトン発生状況調査によるものです。
(2)いわて大漁ナビ(http://www.suigi.pref.iwate.jp/)の定地水温情報・衛星画像や、当センター発行の海況情報等も参考にしてください。
*平年は過去14~16年間の同期の平均値。
**平成30年度まで先端技術展開事業「天然資源への影響を軽減した持続的な漁業・養殖業生産システムの実用化・実証研究委託事業」、平成31年度は「さけ・ますふ化放流抜本対策事業」による研究成果(モデル海域:山田湾)
今年度の放流情報は本号で終了します。
長期間の飼育管理、ご苦労様でした。