令和3年3月17日
湾内の表面水温は、概ね平年よりも1~2℃高めの7℃台となっています。
動物プランクトン沈殿量は、県中部を除いて平年よりも多く、最大時期に向かって増加傾向にあります。
今年は、北上暖水の影響で水温上昇が早いことが予測されていますので、1.3gの目標サイズに達した稚魚は4月上旬を目処とした放流、それ以外はできるだけ多くの大型稚魚が放流できるよう、池分散をするなど密度に気をつけて飼育管理を徹底して下さい。
1.表面水温(℃)
野田湾※1 | 宮古湾 | 山田湾 | 唐丹湾 | 越喜来湾 | 大船渡湾 | |
観測値(3/9,11) | 7.6 | 7.1 | 7.5 | 7.5 | 7.7 | 7.6 |
平年*2 | - | 6 | 5.5 | 5.3 | 5.9 | 6.7 |
前年同期 | - | - | - | - | - | - |
各湾の表面水温は、平年よりも1~2℃程度高めの7℃台となっています。なお、野田湾も他の湾と同程度の水温となっています。
2.動物プランクトン沈殿量(ノルパックネット鉛直20m曳き、ml/m3)
野田湾※1 | 宮古湾 | 山田湾 | 唐丹湾 | 越喜来湾 | 大船渡湾 | |
観測値(3/9,11) | 0.47 | 0.3 | 0.26 | 0.48 | 0.43 | 1.01 |
平年*2 | - | 0.48 | 0.32 | 0.36 | 0.27 | 0.53 |
前年同期 | - | - | - | - | - | - |
沈殿量が徐々に増加する時期であり、宮古湾と山田湾を除いて平年よりも多くなっています。なお、野田湾も増加傾向にあります。
3.その他
(1)北上丸による沿岸海洋観測・動物プランクトン発生状況調査によるものです。なお、今年度より県北広域振興局水産部により野田湾の調査も開始しました(図1赤枠)。
(2)水産研究・教育機構から情報提供を受けた3月15日時点の3月下旬から5月上旬の表面と100深の水温予測図では、北上暖水の波及により水温上昇は早く、県南部の表面水温は、4月上旬には適水温(13℃)を超える予測となっています。
(3)いわて大漁ナビ(https://www.suigi.pref.iwate.jp/)の定地水温情報・衛星画像や、当センター発行の海況情報等も参考にしてください。
※1 野田湾は、参考としてH17、H19に北上丸による調査結果とR2年4月下旬に水産部が実施した結果を図示。
※2 平年は過去16~18年間の同期の平均値。
図1 6湾における動物プランクトン沈殿量、表面水温の季節変化