2023年サケ稚魚放流情報No3

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令和5年3月14日

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湾内の表面水温は7℃台で、各湾で平年よりも1~2℃程度高めの傾向で、黒潮の勢力が強い状況が続いており、今後も水温が高めに推移する可能性があります。
動物プランクトンは、宮古湾及び山田湾で前年よりも多く、他の各湾では平年並から少なめの傾向です。
北上する黒潮が強勢であることから、4月以降は沿岸水温が急上昇する懸念があります。湾内のプランクトン量は前年と比較して少ない状況ですが、2g程度に育った稚魚※1については、適宜放流を進めてください。

1.表面水温(℃)

  野田湾※2 宮古湾 山田湾 唐丹湾 越喜来湾 大船渡湾
観測値(3/6,7) 7.3 7.3 7 7.2 7.5 7.7
平年*3 6 6.1 5.5 5.3 5.8 6.7
前年同期 5.9 5.9 3.4 3.5 2.5 5.8

各湾の表面水温は7℃台で、各湾で平年より1~2℃程度高めとなっています。親潮の本県沿岸域への波及が弱く、北上する黒潮の勢力が強い傾向が続いていることから、オホーツク海からの冷水が接岸した前年とは異なり、今後も水温が低下せずに推移すると予測されます。

2.動物プランクトン沈殿量(ノルパックネット鉛直20m曳き、ml/m3)

  野田湾※2 宮古湾 山田湾 唐丹湾 越喜来湾 大船渡湾
観測値(3/6,7) 0.08 0.4 0.73 0.13 0.31 0.46
平年*3 0.08 0.45 0.33 0.4 0.31 0.68
前年同期 0.25 0.21 0.46 0.79 0.76 2.37

全体的に沈殿量が少ない時期ですが、宮古湾及び山田湾における沈殿量は前年よりも多い傾向にあります。他の各湾では平年並から少なめの傾向であり、特に唐丹湾では、2月上旬以降、少ない傾向が続いています。

3.その他

(1) 北上丸による沿岸海洋観測・動物プランクトン発生状況調査(5湾)及び当センター並びに沿岸広域振興局水産部による野田湾の観測調査(図赤枠)によるものです。
(2) いわて大漁ナビ(https://www.suigi.pref.iwate.jp/)の定地水温情報・衛星画像や当センター発行の海況情報等も参考にしてください。
※1 これまでの本県の放流実績から、放流の重心を3月下旬に設定し2.0g以上のサイズで放した年級の回帰率が高い。
※2 野田湾は3月9日に観測・調査を実施、動物プランクトン沈殿量はネットを2回曳いて測定。
※3 平年は過去18~20年間の同期の平均値。野田湾はH17、H19の北上丸及び県北水産部の調査結果の平均値。

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図 6湾における動物プランクトン沈殿量及び表面水温の季節変化
※水温値が欠落している箇所は欠測であり、併せて同期の沈殿量データも欠落している。