2023年サケ稚魚放流情報No4

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令和5年4月4日

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湾内の表面水温は7~9℃台であり、各湾で平年よりも2℃程度高めの傾向です。黒潮の勢力が強い状況が続いており、今後も水温が高めに推移すると予測されます。
動物プランクトンは、大船渡湾、越喜来湾及び唐丹湾で平年及び前年よりも多く、他の各湾では平年並から少なめの傾向です。
本県沿岸域に到達した親潮が後退傾向であることから、今後も沿岸水温が上昇していくと見られます。放流サイズに育った稚魚(2.0~4.0g程度)※1については、適宜放流を進めてください。

1.表面水温(℃)

  野田湾※2 宮古湾 山田湾 唐丹湾 越喜来湾 大船渡湾
観測値(3/28,29) 7.6 8.2 8.8 8.2 8.4 9.2
平年*3 6.4 6.2 5.5 5.9 6.9
前年同期 5.3 4.9 4.6 4.6 3.3 5.1

各湾の表面水温は7~9℃台で、各湾で平年より2℃程度高めとなっています。本県沿岸域に到達した親潮が後退する傾向にある一方で、北上する黒潮の勢力が強く、県南部沿岸に到達する見込みであることから、今後も水温が高めに推移すると予測されます。

2.動物プランクトン沈殿量(ノルパックネット鉛直20m曳き、ml/m3)

  野田湾※2 宮古湾 山田湾 唐丹湾 越喜来湾 大船渡湾
観測値(3/6,7) 0.24 0.73 0.66 0.63 0.8 1.84
平年*3 0.76 0.67 0.49 0.52 0.96
前年同期 0.6 0.62 0.66 0.56 0.55 0.53

全体的に沈殿量が増加傾向となる時期ですが、大船渡湾、越喜来湾及び唐丹湾における沈殿量は平年及び前年同期を上回り、増加傾向にあります。他の各湾では平年並から少なめの傾向であり、特に野田湾では、2月上旬以降、少ない傾向が続いています。

3.その他

(1) 北上丸による沿岸海洋観測・動物プランクトン発生状況調査(5湾)及び当センター並びに沿岸広域振興局水産部による野田湾の観測調査(図赤枠)によるものです。
(2) いわて大漁ナビ(https://www.suigi.pref.iwate.jp/)の定地水温情報・衛星画像や当センター発行の海況情報等も参考にしてください。
※1 これまでの本県の放流実績から、放流の重心を3月下旬に設定し2.0g以上のサイズで放した年級の回帰率が高い。
※2 野田湾は3月20日に観測・調査を実施、動物プランクトン沈殿量はネットを2回曳いて測定。
※3 平年は過去18~20年間の同期の平均値。野田湾はH17、H19の北上丸及び県北水産部の調査結果の平均値。

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図 6湾における動物プランクトン沈殿量及び表面水温の季節変化
※水温値が欠落している箇所は欠測であり、併せて同期の沈殿量データも欠落している。