令和6年2月29日
2月上旬における湾内の表面水温は7~13℃台で、野田湾及び宮古湾で平年並、山田湾以南で平年よりも高めとなりました。また、2月上旬の動物プランクトン沈殿量は、各湾とも平年よりも少ない傾向でした。
現在、本県沿岸域付近に親潮の波及が認められますが、今後、親潮の波及は弱まり、再び黒潮が優勢となる予想です。3月中旬以降は再び水温の上昇が見込まれますので、1.5g以上に成長した稚魚※1については、随時、放流を検討してください。
1.表面水温(℃)
野田湾※2 | 宮古湾 | 山田湾 | 唐丹湾 | 越喜来湾 | 大船渡湾 | |
観測値(2/7,8) | 8.6 | 7.3 | 9.8 | 13.2 | 13.1 | 10.5 |
平年*3 | 9.1 | 7 | 7.1 | 8.2 | 7.8 | 7.1 |
前年同期 | 7.1 | 6.8 | 7.9 | 7.8 | 8.1 | 7.2 |
2月上旬の各湾の表面水温は7~13℃台で、野田湾及び宮古湾で平年並、山田湾以南で平年より3~5℃程度高めとなりました(図1)。なお、2月下旬は荒天のため、欠測となりました。
2.動物プランクトン沈殿量(ノルパックネット鉛直20m曳き、ml/m3)
野田湾※2 | 宮古湾 | 山田湾 | 唐丹湾 | 越喜来湾 | 大船渡湾 | |
観測値(2/7,8) | 0.09 | 0.03 | 0.03 | 0.03 | 0.03 | 0.20 |
平年*3 | 0.13 | 0.15 | 0.12 | 0.13 | 0.18 | 0.37 |
前年同期 | 0.03 | 0.03 | 0.07 | 0.03 | 0.33 | 0.33 |
2月上旬は全体的に沈殿量が少ない時期であり、各湾ともに、平年よりも少ない傾向にありました(図1)。なお、2月下旬は荒天のため欠測となりました。
現在、親潮が本県沿岸域付近まで波及しておりますが、依然として北上する黒潮の勢力は強く、親潮の波及は一時的なものであると予測されます(図2、3)。
3.その他
(1) 北上丸による沿岸海洋観測・動物プランクトン発生状況調査(5湾)及び当センター並びに沿岸広域振興局水産部による野田湾の観測調査(図赤枠)によるものです。
(2) いわて大漁ナビ(https://www.suigi.pref.iwate.jp/)の定地水温情報・衛星画像や当センター発行の海況情報等も参考にしてください。
※1 熊野川の大規模実証試験において、2月放流の場合、放流時のサイズが大きいほど回帰率が高い傾向がある。
※2 野田湾は2月15日に観測・調査を実施、動物プランクトン沈殿量はネットを2回曳いて測定。
※3 平年は過去19~21年間の同期の平均値。野田湾はH17、H19の北上丸及び県北水産部の調査結果の平均値。