令和6年3月15日
3月上旬における湾内の表面水温は7~8℃台で、各湾ともに前年並みの水温となりました。また、3月上旬の動物プランクトン沈殿量は、野田湾を除き、平年よりも少ない傾向でした。
現在、本県沿岸域付近に親潮の波及が認められますが、今後、津軽暖流の勢力が強まり、親潮の波及は弱まる予想です。プランクトン量が少ない状況ではありますが、3月中旬以降は再び水温の上昇が見込まれますので、1.5g以上に成長した稚魚※1については、随時、放流を検討してください。
1.表面水温(℃)
野田湾※2 | 宮古湾 | 山田湾 | 唐丹湾 | 越喜来湾 | 大船渡湾 | |
観測値(3/4,5) | 7.3 | 7.7 | 8.0 | 7.9 | 8.1 | 7.8 |
平年*3 | 6.0 | 5.7 | 5.2 | 5.5 | 5.5 | 6.3 |
前年同期 | 7.3 | 7.3 | 7.0 | 7.2 | 7.5 | 7.6 |
3月上旬の各湾の表面水温は7~8℃台で、各湾で平年より1~3℃程度高めとなりました(図1)。
2.動物プランクトン沈殿量(ノルパックネット鉛直20m曳き、ml/m3)
野田湾※2 | 宮古湾 | 山田湾 | 唐丹湾 | 越喜来湾 | 大船渡湾 | |
観測値(3/4,5) | 0.09 | 0.20 | 0.20 | 0.13 | 0.13 | 0.26 |
平年*3 | 0.08 | 0.44 | 0.35 | 0.38 | 0.31 | 0.66 |
前年同期 | 0.08 | 0.40 | 0.73 | 0.13 | 0.31 | 0.46 |
3月上旬は全体的に沈殿量が少なく、野田湾を除き、平年よりも少ない傾向でした(図1)。
現在、親潮が本県沿岸域付近まで波及しておりますが、今後、津軽暖流の勢力が強くなることが予想されることから、親潮の波及は一時的なものであると予測されます。
3.その他
(1) 北上丸による沿岸海洋観測・動物プランクトン発生状況調査(5湾)及び当センター並びに沿岸広域振興局水産部による野田湾の観測調査(図赤枠)によるものです。
(2) いわて大漁ナビ(https://www.suigi.pref.iwate.jp/)の定地水温情報・衛星画像や当センター発行の海況情報等も参考にしてください。
※1 熊野川の大規模実証試験において、2月放流の場合、放流時のサイズが大きいほど回帰率が高い傾向がある。
※2 平年は過去19~21年間の同期の平均値。野田湾はH17、H19の北上丸及び県北水産部の調査結果の平均値。