令和6年4月9日
4月上旬における湾内の動物プランクトン沈殿量は、野田湾で平年よりも多い傾向でしたが、他の湾は平年よりも少なく、特に山田湾以南では非常に少ない傾向でした。また、4月上旬における湾内の表面水温は7~12℃ 台であり、宮古湾以南で平年よりも高い傾向でした。なお、3月28、29日に湾内で観測された、15℃以上の極端に高い水温帯は本観測ではほとんど見られませんでした(令和6年度沿岸域観測結果第1号)。
県北部沿岸で動物プランクトンが増加傾向にあることから、ある程度(1.0g以上)まで成長した稚魚については、高水温帯が沿岸から離れたタイミングでの放流や県北部海域への移送放流を検討してください。
1.表面水温(℃)
野田湾 (4/3) |
宮古湾 (4/4) |
山田湾 (4/2) |
唐丹湾 (4/3) |
越喜来湾 (4/3) |
大船渡湾 (4/3) |
|
観測値(4/2~4) | 7.8 | 8.7 | 8.2 | 12.2 | 12.7 | 11.7 |
平年* | 8.8 | 7.8 | 7.3 | 7.4 | 7.4 | 7.9 |
前年同期 | 9.9 | – | – | – | – | – |
4月上旬における湾内の表面水温は7~12℃ 台であり、宮古湾以南で平年よりも高い傾向でした(図)。なお、3月28、29日に湾内で観測された、15℃以上の極端に高い水温帯は本観測ではほとんど見られず、首埼以北沖合の20~30以深では、10℃以下の冷水の分布も見られました(令和6年度沿岸域観測結果第1号)。今後も黒潮続流の影響により、湾内でも、水温の変動が起こりやすい不安定な海況となることが予測されます。
2.動物プランクトン沈殿量(ノルパックネット鉛直20m曳き、ml/m3)
野田湾 (4/3) |
宮古湾 (4/4) |
山田湾 (4/2) |
唐丹湾 (4/3) |
越喜来湾 (4/3) |
大船渡湾 (4/3) |
|
観測値(4/2~4) | 0.53 | 0.63 | 0.17 | 0.25 | 0.16 | 0.09 |
平年* | 0.16 | 1.46 | 1.06 | 1.46 | 1.19 | 1.04 |
前年同期 | 0.05 | – | – | – | – | – |
※ 平年は過去19~21年間の同期の平均値。野田湾はH17、H19の北上丸及び県北水産部の調査結果の平均値。
4月上旬における湾内の動物プランクトン沈殿量は、野田湾で平年よりも多い傾向でしたが、他の湾は平年よりも少なく、特に山田湾以南では非常に少ない傾向でした。(図)。
3.その他
(1) 北上丸及び岩手丸による沿岸海洋観測・動物プランクトン発生状況調査(5湾)並びに当センター及び県北広域振興局水産部による野田湾の観測調査によるものです。
(2) いわて大漁ナビ(https://www.suigi.pref.iwate.jp/)の定地水温情報・衛星画像や当センター発行の海況情報等も参考にしてください。
附表はPDFに記載