2024年サケ稚魚放流情報No6

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令和6年4月30日

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4月下旬における湾内の表面水温は10~16℃ 台であり、各湾で平年よりも高い傾向でした。特に、山田湾以南では、顕著な水温上昇が観測されました。また、動物プランクトン沈殿量は、野田湾を除く各湾において、平年よりも非常に少ない傾向でした。
熊野ふ化場では、4月15日に平均3g台の稚魚を標識放流しました。今後、調査船による沿岸域でのサケ稚魚採捕調査により、サケ稚魚の分布域を確認していきます。

1.表面水温(℃)

  野田湾
(4/18)
宮古湾
(4/15)
山田湾
(4/15)
唐丹湾
(4/16)
越喜来湾
(4/16)
大船渡湾
(4/16)
観測値(4/15~18) 10.2 11.5 15.8 14.9 16.5 16.1
平年* 8.5 8.8 8.4 8.4 8.5 9.8
前年同期 10.1 10.7 10.1

4月下旬における湾内の表面水温は10~16℃ 台であり、各湾で平年よりも高い傾向でした(図)。特に、山田湾以南では15℃以上と、平年よりも非常に高い表面水温が観測される傾向にありました。なお、同日付の観測により、唐丹湾の40m以深及び山田湾の20m以深には、10℃台の水温帯が観測されています(令和6年度北上丸沿岸域観測結果第1号)。

2.動物プランクトン沈殿量(ノルパックネット鉛直20m曳き、ml/m3)

  野田湾
(4/18)
宮古湾
(4/15)
山田湾
(4/15)
唐丹湾
(4/16)
越喜来湾
(4/16)
大船渡湾
(4/16)
観測値(4/15~18) 0.28 0.03 0.07 0.46 0.4 0.13
平年* 0.19 2.49 1.38 2.09 2.97 1.31
前年同期 0.03 0.32 0.66

※ 平年は過去19~21年間の同期の平均値。野田湾はH17、H19の北上丸及び県北水産部の調査結果の平均値。

4月下旬における湾内の動物プランクトン沈殿量は、野田湾で平年よりも多い傾向でしたが、他の湾は平年よりも非常に少ない傾向でした(図)。例年であれば、親潮由来の冷水により、動物プランクトン量が爆発的に増える時期ですが、沿岸域の大部分を黒潮由来の暖水が優占し、冷水の流入が滞ったことから、動物プランクトンの増殖が抑制されたものと考えられます。

3.その他

(1) 北上丸及び岩手丸による沿岸海洋観測・動物プランクトン発生状況調査(5湾)並びに当センター及び県北広域振興局水産部による野田湾の観測調査によるものです。
(2) いわて大漁ナビ(https://www.suigi.pref.iwate.jp/)の定地水温情報・衛星画像や当センター発行の海況情報等も参考にしてください。

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図 6湾における動物プランクトン沈殿量及び表面水温の月旬毎の変化
※水温値が欠落している箇所は欠測であり、併せて同期の沈殿量データも欠落している。