令和6年5月14日
県中南部では高水温の影響で例年よりかなり早くワカメの成熟が進んでいる可能性があります。
こまめにメカブの成熟状態を確認し、成熟盛期を逃さないように採苗を進めてください。
1 水温の状況と見込み
○水深3~5mの定地水温は、県中部~南部を中心に16℃台(例年より5℃以上高い)となっている定点もあります(図1)。
○直近の表面水温衛星画像では、18℃以上の海水が接近しており、水温がさらに上昇する可能性があります(図2)。
2 養殖への影響
○今年度のような継続した高水温はこれまでに経験したことが無く、ワカメに及ぼす影響について明らかではありませんが、本県の中南部では高水温により成熟、遊走子の放出、メカブの流出が早まる可能性があります。
○当所で試験養殖していたワカメのメカブからは、5月上旬に大量の遊走子が放出されました。
養殖管理の注意点
○採苗
高水温により例年よりも成熟が早まっている可能性があります。また、天然と養殖でメカブの成熟状態が異なります。採苗に使用するメカブの成熟状態を把握し、早めに採苗を行いましょう。
○保苗(海中培養)
採苗した種糸は水温が低下し、栄養塩が上昇する時期(秋)まで深吊りしましょう。配偶体の成熟が進まないようにするため、水温や照度の影響を受けにくい深い水深まで垂下してください。