2025年サケ稚魚放流情報No5

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令和7年6月5日

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5月下旬の各湾内の表面水温は12~14℃台であり、平年並みから平年よりも高めの傾向となりました。また、5月下旬の動物プランクトン沈殿量は、平年よりも少ない傾向となりました。

調査船で実施した沿岸域でのサケ稚魚調査では、5月の上旬に山田湾を中心として採捕がありましたが、中旬以降はまとまった採捕がありませんでした。今後、北海道沿岸域での採捕調査を実施し、引き続きサケ稚魚の分布域を確認していきます。

1.表面水温(℃)

  野田湾※2 宮古湾 山田湾 唐丹湾 越喜来湾 大船渡湾
観測値(5/23,27) 12.2 13.3 12.6 14.0 13.1 14.0
平年*3 9.8 12.0 13.0 11.4 12.5 14.0
前年同期 12.6 14.5 14.0 15.3 17.6

5月下旬は12~14℃台であり、山田湾、大船渡湾では平年並み、その他の湾では平年よりも高い傾向でした。旬全体を通して見ると、2~3月は平年よりも高い傾向でしたが、4月以降は平年並みとなりました(図)。

2.動物プランクトン沈殿量(ノルパックネット鉛直20m曳き、mL/m3)

  野田湾※2 宮古湾 山田湾 唐丹湾 越喜来湾 大船渡湾
観測値(5/23,27) 0.06 0.40 0.26 0.20 0.20 0.70
平年*3 0.74 0.60 1.37 1.26 1.20
前年同期 0.07 0.10 0.17 0.66 0.33

5月下旬は各湾で平年よりも少ない傾向でした。旬全体を通して見ると、3~4月は概ね前年よりも高い傾向となり、4月にピークを迎えるという、平年値と似た推移を辿りました(図)。

漁業指導調査船「北上丸」による火光利用敷網による夜間の採捕調査により、5月1日に山田湾湾口の地点を中心に、300尾程度のサケ稚魚を採捕しましたが、それ以降の採捕調査(「岩手丸」による表層トロールによる採捕調査含む)ではほとんど採捕がありませんでした。6月下旬に北海道沿岸域での採捕調査を実施し、放流後のサケ稚魚の追跡を継続する見込みです。

3.その他

(1) 北上丸による沿岸海洋観測・動物プランクトン発生状況調査(5湾)及び当センター並びに県北広域振興局水産部による野田湾の観測調査によるものです。
(2) いわて大漁ナビ(https://www.suigi.pref.iwate.jp/)の定地水温情報・衛星画像や当センター発行の海況情報等も参考にしてください。
※1 熊野川の大規模実証試験において、2月放流の場合、放流時のサイズが大きいほど回帰率が高い傾向がある。
※2 野田湾は5月23日に観測・調査を実施。
※3 平年は過去20~22年間の同期の平均値。野田湾はH17、H19及びR3~6の6年間の調査結果の平均値。

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図 6湾における動物プランクトン沈殿量及び表面水温の月旬毎の変化
※水温値が欠落している箇所は欠測であり、併せて同期の沈殿量データも欠落している。

漁業資源部(担当:岡部)
TEL: 0193-26-7915