2019年度秋サケ回帰情報(No2:中期分)

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令和元年12月16日
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12月10日までの回帰尾数は、前年比18%の52万尾。

魚体サイズ(尾叉長・体重・肥満度)は、前年よりも大きい傾向。

年齢別の回帰尾数は、4歳魚が前年と比べて著しく少ない。

1.回帰資源量

12月10日現在の本県回帰尾数は52万尾(1,517トン)で前年比18%(重量比19%)(図1)。内訳をみると、沿岸漁獲は前年比17%(43万尾)、河川漁獲は前年比21%(7万尾)、種卵確保対策による海産親魚は前年比62%(2万尾)となっています。また、1尾あたりの平均体重は2.89kgと前年(2.87kg)をやや上回りました。
当センターが発表した中期までの回帰予測尾数は11月下旬をピークとする272万尾であり、12月上旬以降をピークとして予測の19%と大きく下回っています。

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図1 本県回帰尾数の推移

2.回帰親魚調査結果(中期:11月11日から12月10日までの分)

11月11日から12月5日にかけて、片岸川、織笠川、津軽石川において回帰親魚調査(片岸川463尾、織笠川610尾、津軽石川399尾)を行いました。

(1)年齢組成

片岸川
オスは3歳魚34%、4歳魚22%、5歳魚43%(H30:3歳魚6%、4歳魚79%、5歳魚11%)、メスは3歳魚23%、4歳魚10%、5歳魚65%(H30:3歳魚4%、4歳魚90%、5歳魚5%)で、前年同期と比べるとオス・メスともに3、5歳魚の割合が高く、4歳魚の割合がきわめて低くなりました(図2)。
年齢査定の結果に河川回帰尾数(R1:2,595尾、H30:20,402尾)を乗じて算出した年齢別回帰尾数を見ると、4歳魚が前年を大きく下回り、前年の3%となりました(図3)。

織笠川
オスは3歳魚43%、4歳魚22%、5歳魚27%(H30:3歳魚4%、4歳魚93%、5歳魚2%)、メスは3歳魚23%、4歳魚28%、5歳魚49%(H30:3歳魚2%、4歳魚95%、5歳魚3%)で、前年同期と比べると、オス・メスともに3、5歳魚の割合が高く、4歳魚の割合がきわめて低くなりました(図4)。
年齢査定の結果に河川回帰尾数(R1:1,974尾、H30:8,644尾)を乗じて算出した年齢別回帰尾数を見ると、3歳魚が前年の3.3倍、5歳魚が前年の2.5倍と上回り、4歳魚が前年の6%と大きく下回りました。(図5)。

津軽石川
オスは3歳魚47%、4歳魚11%、5歳魚38%(H30:3歳魚4%、4歳魚78%、5歳魚14%)、メスは3歳魚34%、4歳魚12%、5歳魚54%(H30:3歳魚2%、4歳魚73%、5歳魚22%)で、前年同期と比べるとオス・メスともに3、5歳魚の割合が高く、4歳魚の割合がきわめて低くなりました(図6)。
年齢査定の結果に河川回帰尾数(R1:2,834尾、H30:8,992尾)を乗じて算出した年齢別回帰尾数を見ると、3歳魚が前年の4.2倍と上回りましたが、4歳魚が前年の5%と大きく下回りました(図7)。

(2)年齢別尾叉長、体重、肥満度

片岸川
魚体測定の結果、オスの尾叉長は66.8cm、体重は3.0kg、肥満度※は9.9。また、メスの尾叉長は68.3cm、体重は3.3kg、肥満度は10.1でした。前年同期と比較すると、メスの肥満度が低い傾向にあるほか、オス・メスともに各年齢で尾叉長、体重が大きい傾向にありました。(表1)。
肥満度=体重/(体長/10)3×1,000
表1 片岸川年齢別尾叉長・体重・肥満度
(オス)

  尾叉長
(cm)
体 重
(kg)
肥満度
R1 H30 R1 H30 R1 H30
3歳魚 62.8 59.4 2.3 2 9.3 9.2
4歳魚 67.2 66.7 3 2.9 9.8 9.7
5歳魚 70.2 69.6 3.6 3.4 10.4 9.8
全体平均 66.8 66.2 3 2.9 9.9 9.7

(メス)

  尾叉長
(cm)
体 重
(kg)
肥満度
R1 H30 R1 H30 R1 H30
3歳魚 61 60.2 2.3 2.1 10 10.7
4歳魚 67.4 66.5 3.2 3 10.2 10.6
5歳魚 70.9 70 3.6 3.6 10.1 10.8
全体平均 68.3 66.5 3.3 3 10.1 10.6

織笠川
魚体測定の結果、オスの尾叉長は65.0cm、体重は2.7kg、肥満度は9.4、また、メスの尾叉長は68.1cm、体重は3.2kg、肥満度は9.8でした。前年同期と比較すると、オスの5歳魚の体重、肥満度とメスの肥満度が小さいほか、オス・メスともに各年齢で尾叉長、体重がやや大きい傾向が見られました(表2)
(オス)

  尾叉長
(cm)
体 重
(kg)
肥満度
R1 H30 R1 H30 R1 H30
3歳魚 62.4 61 2.3 2.2 9.2 9.5
4歳魚 67.4 66.8 2.9 2.8 9.4 9.4
5歳魚 70.9 70.2 3.5 3.7 9.6 10.5
全体平均 65 66.5 2.7 2.8 9.4 9.4

(メス)

  尾叉長
(cm)
体 重
(kg)
肥満度
R1 H30 R1 H30 R1 H30
3歳魚 62.7 61.6 2.3 2.3 9.4 9.8
4歳魚 67.2 66.4 2.9 2.9 9.6 9.9
5歳魚 71.1 70.7 3.7 3.6 10.1 10
全体平均 68.1 66.4 3.2 2.9 9.8 9.9

津軽石川
魚体測定の結果、オスの尾叉長69.0cm、体重は3.2kg、肥満度は9.4、また、メスの尾叉長は69.0cm、体重は3.5kg、肥満度は10.3でした。前年同期と比較すると、オス・メスの各年齢で、尾叉長、体重、肥満度が前年並みから大きい傾向が見られました(表3)。
(オス)

  尾叉長
(cm)
体 重
(kg)
肥満度
R1 H30 R1 H30 R1 H30
3歳魚 64.7 63.4 2.5 2.5 9.1 9.5
4歳魚 70.7 70.6 3.4 3.4 9.5 9.4
5歳魚 74.3 74.6 4 4 9.7 9.6
全体平均 69 70.7 3.2 3.4 9.4 9.4

(メス)

  尾叉長
(cm)
体 重
(kg)
肥満度
R1 H30 R1 H30 R1 H30
3歳魚 63.7 60.8 2.6 2.1 9.8 9.3
4歳魚 69.5 68.4 3.5 3.3 10.3 10.3
5歳魚 72.4 71.7 4.1 3.9 10.6 10.4
全体平均 69 69.1 3.5 3.5 10.3 10.3

(3)孕卵数および卵重量

片岸川(11月12日、11月22日)
片岸川のメス1尾あたりの孕卵数は平均2,814粒、卵1粒あたりの重量は0.23g、生殖腺指数は20.3でした。
前年と比較して、3歳魚の孕卵数及び卵重量は増加、生殖腺指数※は上昇、4歳及び5歳の孕卵数は減少、卵重量は増加、生殖腺指数は低下しました(表4)。
※ 生殖腺指数=生殖腺重量/体重×100
表4 片岸川 年齢別繁殖形質

  3歳魚 4歳魚 5歳魚 全体
R1 H30 R1 H30 R1 H30 R1 H30
尾叉長(cm) 60.9 62.2 67.1 65.9 71.4 68.4 67.3 65.9
体重(kg) 2.34 2.32 3.13 2.98 3.88 3.52 3.27 2.98
生殖腺重量(kg/尾) 0.52 0.45 0.63 0.63 0.74 0.74 0.65 0.63
孕卵数(粒/尾) 2,614 2,412 2,677 2,953 2,981 3,298 2,814 2,948
卵重量(g/粒) 0.2 0.19 0.24 0.22 0.25 0.22 0.23 0.22
生殖腺指数 22.5 19.3 20.2 21.2 19 21 20.3 21.1

織笠川(11月25日、12月4日)
織笠川のメス1尾あたりの孕卵数は平均2,891粒、卵1粒あたりの重量は0.22g、生殖腺指数は18.3でした。
前年と比較して、3歳魚の孕卵数が少なく、5歳魚の卵重量と生殖腺指数が大きくなりましたが、全体的に孕卵数が多く、卵重量と生殖腺指数が小さい傾向が見られました(表5)
表5 織笠川 年齢別繁殖形質

  3歳魚 4歳魚 5歳魚 全体
R1 H30 R1 H30 R1 H30 R1 H30
尾叉長(cm) 63.2 63.5 67.7 67.2 71.6 71.7 69.3 67.3
体重(kg) 2.54 2.72 3.07 3.06 3.85 3.4 3.44 3.06
生殖腺重量(kg/尾) 0.51 0.57 0.59 0.6 0.68 0.51 0.63 0.6
孕卵数(粒/尾) 2,659 2,748 2,672 2,598 3,073 2,297 2,891 2,592
卵重量(g/粒) 0.19 0.21 0.22 0.23 0.23 0.22 0.22 0.23
生殖腺指数 20.1 20.8 19.1 19.6 17.6 15.1 18.3 19.5

3.その他

令和元年12月10日現在の秋サケ回帰状況は、回帰尾数・回帰重量ともに、昨年の2割、震災前の平成18~22年度平均の1割以下に留まっています。
また、中期の調査河川合計の年齢組成は、3歳魚35%、4歳魚17%、5歳魚45%(平成30年度中期:3歳魚4%、4歳魚84%、5歳魚10%)と前期と同様に前年に比べて4歳魚の割合がきわめて低い傾向にあり、4歳魚の不振が全体の回帰尾数の伸び悩みの原因となっています。
非常に厳しい状況にはありますが、将来的なサケ資源造成のため、引き続き関係者が一致協力して採卵用親魚と良質な卵の最大限の確保に努めるとともに、これまで以上の丁寧な管理をお願いします。