2020年度秋サケ回帰情報(No2:中期分)

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令和2年12月21日
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12月10日までの回帰尾数は、前年比74%の39万尾。

魚体サイズ(尾叉長・体重・肥満度)は、前年とほぼ同等。

年齢別の回帰尾数は、5歳魚が前年と比べて著しく少ない。

1.回帰資源量

12月10日現在の本県回帰尾数は39万尾(1,118トン)で前年比74%(重量比74%)(図1)。内訳をみると、沿岸漁獲は前年比68%(29万尾)、河川漁獲は前年比96%(7万尾)、種卵確保対策による海産親魚は前年比137%(3万尾)となっています。また、1尾あたりの平均体重は2.86kgと前年(2.89kg)をやや下回りました。
当センターが発表した中期までの回帰予測尾数は11月下旬をピークとする158万尾であり、12月上旬以降をピークとして予測の25%と大きく下回っています。

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図1 本県回帰尾数の推移

2.回帰親魚調査結果(中期:11月11日から12月10日までの分)

11月11日から12月7日に片岸川、織笠川、津軽石川において、各ふ化場の協力を得て回帰親魚調査(片岸川342尾、織笠川591尾、津軽石川584尾)を行いました。

(1)年齢組成

片岸川
オスは3歳魚6%、4歳魚89%、5歳魚3%(R1:3歳魚34%、4歳魚22%、5歳魚43%)、メスは3歳魚3%、4歳魚92%、5歳魚3%(R1:3歳魚23%、4歳魚10%、5歳魚65%)で、前年同期と比べるとオス・メスともに3、5歳魚の割合が低く、4歳魚の割合がきわめて高くなりました(図2)。
年齢査定の結果に河川回帰尾数(R2:1,951尾、R1:2,595尾)を乗じて算出した年齢別回帰尾数を見ると、4歳魚が前年の4.0倍となりましたが、3歳魚前年の13%、5歳魚が前年の5%と大きく下回りました(図3)。

織笠川
オスは3歳魚29%、4歳魚63%、5歳魚5%(R1:3歳魚43%、4歳魚22%、5歳魚27%)、メスは3歳魚21%、4歳魚73%、5歳魚6%(R1:23%、4歳魚28%、5歳魚49%)で、前年同期と比べると、オス・メスともに5歳魚の割合が低く、4歳魚の割合が著しく高くなりました(図4)。
年齢査定の結果に河川回帰尾数(R2:2,076尾、R1:1,974尾)を乗じて算出した年齢別回帰尾数を見ると、3歳魚が前年の76%、5歳魚が前年の15%と大きく下回り、4歳魚が前年の2.9倍と大きく上回りました。(図5)。

津軽石川
オスは3歳魚6%、4歳魚84%、5歳魚6%(R1:3歳魚47%、4歳魚11%、5歳魚38%)、メスは3歳魚21%、4歳魚73%、5歳魚6%(R1:3歳魚34%、4歳魚12%、5歳魚54%)で、前年同期と比べるとオス・メスともに3、5歳魚の割合が低く、4歳魚の割合がきわめて高くなりました(図6)。
年齢査定の結果に河川回帰尾数(R2:3,912尾、R1:2,833尾)を乗じて算出した年齢別回帰尾数を見ると、3歳魚が前年の46%、5歳魚が前年の19%と下回りましたが、4歳魚が前年9.6倍と大きく上回りました(図7)。

(2)年齢別尾叉長、体重、肥満度

片岸川
魚体測定の結果、オスの尾叉長は66.8cm、体重は3.0kg、肥満度※は9.8、メスの尾叉長は66.5cm、体重は3.1kg、肥満度は10.3でした。前年同期と比較すると、5歳魚の肥満度が低い傾向にあるほか、オス・メスともに各年齢で尾叉長、体重は、同等となりました。(表1)。
肥満度=体重/(体長/10)3×1,000
表1 片岸川年齢別尾叉長・体重・肥満度
(オス)

  尾叉長
(cm)
体 重
(kg)
肥満度
R2 R1 R2 R1 R2 R1
3歳魚 59.5 62.8 2.1 2.3 9.8 9.3
4歳魚 67.3 67.2 3.0 3.0 9.8 9.8
5歳魚 71.2 70.2 3.4 3.6 9.3 10.4
全体平均 66.8 66.8 3.0 3.0 9.8 9.9

(メス)

  尾叉長
(cm)
体 重
(kg)
肥満度
R2 R1 R2 R1 R2 R1
3歳魚 60.8 61.0 2.3 2.3 10.3 10.0
4歳魚 66.5 67.4 3.1 3.2 10.3 10.2
5歳魚 70.1 70.9 3.4 3.6 9.7 10.1
全体平均 66.5 68.3 3.1 3.3 10.3 10.1

織笠川
魚体測定の結果、オスの尾叉長は66.7cm、体重は2.8kg、肥満度は9.3、また、メスの尾叉長は66.8cm、体重は2.9kg、肥満度は9.6でした。前年同期と比較すると、5歳魚の肥満度がやや小さいほか、オス・メスともに各年齢で尾叉長、体重とも同等となりました(表2)。
表2 織笠川年齢別尾叉長・体重・肥満度
(オス)

  尾叉長
(cm)
体 重
(kg)
肥満度
R2 R1 R2 R1 R2 R1
3歳魚 63.3 62.4 2.4 2.3 9.2 9.2
4歳魚 68.2 67.4 3.0 2.9 9.4 9.4
5歳魚 70.2 70.9 3.3 3.5 9.3 9.6
全体平均 66.7 65.0 2.8 2.7 9.3 9.4

(メス)

  尾叉長
(cm)
体 重
(kg)
肥満度
R2 R1 R2 R1 R2 R1
3歳魚 62.7 62.7 2.4 2.3 9.5 9.4
4歳魚 67.5 67.2 3.0 2.9 9.6 9.6
5歳魚 71.3 71.1 3.6 3.7 9.8 10.1
全体平均 66.8 68.1 2.9 3.2 9.6 9.8

津軽石川
魚体測定の結果、オスの尾叉長は71.5cm、体重は3.7kg、肥満度は9.8、また、メスの尾叉長は66.8cm、体重は2.9kg、肥満度は9.6でした。前年同期と比較すると、各年齢ともに尾叉長、体重、肥満度がオスは大きく、メスは小さい傾向が見られました(表3)。
表3 津軽石川年齢別尾叉長・体重・肥満度
(オス)

  尾叉長
(cm)
体 重
(kg)
肥満度
R2 R1 R2 R1 R2 R1
3歳魚 63.4 64.7 2.4 2.5 9.3 9.1
4歳魚 72.0 70.7 3.8 3.4 9.8 9.5
5歳魚 76.0 74.3 4.5 4.0 10.2 9.7
全体平均 71.5 69.0 3.7 3.2 9.8 9.4

(メス)

  尾叉長
(cm)
体 重
(kg)
肥満度
R2 R1 R2 R1 R2 R1
3歳魚 62.7 63.7 2.4 2.6 9.5 9.8
4歳魚 67.5 69.5 3.0 3.5 9.6 10.3
5歳魚 71.3 72.4 3.6 4.1 9.8 10.6
全体平均 66.8 69.0 2.9 3.5 9.6 10.3

(3)孕卵数および卵重量

片岸川(11月11日、11月24日)
片岸川のメス1尾あたりの孕卵数は平均2,950粒、卵1粒あたりの重量は0.24g、生殖腺指数は21.2でした。
前年と比較して、3歳魚及び4歳魚の孕卵数は増加、卵重量は同等、生殖腺指数※は上昇、5歳魚の孕卵数及び卵重量は減少、生殖腺指数は上昇しました(表4)。
※ 生殖腺指数=生殖腺重量/体重×100
表4 片岸川 年齢別繁殖形質

  3歳魚 4歳魚 5歳魚 全体
R2 R1 R2 R1 R2 R1 R2 R1
尾叉長(cm) 60.8 60.9 66.6 67.1 66.2 71.4 66.3 67.3
体重(kg) 2.33 2.34 3.10 3.13 2.88 3.88 3.07 3.27
生殖腺重量(kg/尾) 0.55 0.52 0.66 0.63 0.59 0.74 0.65 0.65
孕卵数(粒/尾) 2,824 2,614 2,949 2,677 2,797 2,981 2,950 2,814
卵重量(g/粒) 0.19 0.20 0.25 0.24 0.21 0.25 0.24 0.23
生殖腺指数 23.7 22.5 21.1 20.2 20.4 19.0 21.2 20.3

織笠川(11月25日、12月4日)
織笠川のメス1尾あたりの孕卵数は平均2,268粒、卵1粒あたりの重量は0.22g、生殖腺指数は16.3でした。
前年と比較して、各年齢とも孕卵数が少なく、卵重量は同等、生殖腺指数が低くなり、全体的に孕卵数が少なく、生殖腺指数が低い傾向が見られました(表5)。

表5 織笠川 年齢別繁殖形質

  3歳魚 4歳魚 5歳魚 全体
R2 R1 R2 R1 R2 R1 R2 R1
尾叉長(cm) 62.8 63.2 68.1 67.7 71.8 71.6 67.5 69.3
体重(kg) 2.45 2.54 3.11 3.07 3.69 3.85 3.05 3.44
生殖腺重量(kg/尾) 0.44 0.51 0.51 0.59 0.55 0.68 0.50 0.63
孕卵数(粒/尾) 2,208 2,659 2,278 2,672 2,301 3,073 2,268 2,891
卵重量(g/粒) 0.20 0.19 0.23 0.22 0.25 0.23 0.22 0.22
生殖腺指数 17.6 20.1 16.1 19.1 14.8 17.6 16.3 18.3

3.その他

令和2年12月10日現在の秋サケ回帰状況は、回帰尾数・回帰重量ともに、昨年の7割、震災前の平成18~22年度平均の6%程度に留まっています。
また、中期の調査河川合計の年齢組成は、3歳魚9%、4歳魚80%、5歳魚8%(令和元年中期:3歳魚21%、4歳魚34%、5歳魚43%)と前期と同様に前年に比べて4歳魚の割合がきわめて高い傾向にあり、例年、4歳魚に次ぐ5歳魚の割合が低くなっています。今年の5歳魚は、平成27年生まれであり、この年級の不振が昨年と今年の不振の大きな原因になっています。
昨年に引き続き、非常に厳しい状況にはありますが、将来的なサケ資源造成のため、引き続き関係者が一致協力して採卵用親魚と良質な卵の最大限の確保に努めるとともに、これまで以上の丁寧な管理をお願いします。