2023年漁況情報号外(コウナゴ情報)

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令和5年3月17日発行

2023年のイカナゴ稚仔魚の分布密度は、前年と同様に低水準。

2020年以降稚仔魚の分布密度は低く、水揚量も少ない。
※ コウナゴはイカナゴの稚仔魚

1. 2023年漁期前のイカナゴ稚仔魚分布密度調査結果

(1)分布密度

2月10日及び17日に漁業指導調査船「北上丸」でイカナゴ稚仔魚調査(稚魚ネット:水深15m、10分間水平曳き)を行いました。8定点(図1)の平均分布密度は、県北海域で0.07尾/100m3(前年0.16尾/100m3、過去5年平均3.25尾/100m3)、県南海域で0.17尾/100m3(前年0.14尾/100m3、過去5年平均81.82尾/100m3)と、県北海域では前年及び過去5年平均を下回り、県南海域では前年並で過去5年平均を下回りました(図2)。また、両海域とも2020年以降、低水準となっています。

(2)全長組成

2023年の調査で採取されたイカナゴ稚仔魚の全長組成は、2021及び2022年と比べ、調査時期が2旬程度早いこともあり、両海域ともに小さい傾向となりました(図3)。

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図3 採取稚仔魚の全長組成

(3)採取稚仔魚の種類と分布密度

本調査では、イカナゴ稚仔魚以外に、タラ類、ギンポ類、メバル類、カジカ類、カレイ類の稚仔魚が採集されます。2023年の調査で採取されたイカナゴ以外の主要な稚仔魚の分布密度は、両海域ともに、2021及び2022年と比べ、タラ類が上昇して一番高い密度となりました。また県南海域ではメバル類、県北海域ではギンポ類の分布密度も高くなりました(図4)。

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図4 稚仔魚分布密度

2 2022年までの漁況

いかなご棒受網漁業による2022年のコウナゴ水揚量(久慈、宮古、山田、釜石、大船渡の5魚市場合計)は14.5t(前年比158%、過去5年平均比5%)で、前年を上回り、過去5年平均を下回りました(図5)。
海域毎の水揚量は、県北海域(久慈魚市場)が10.0t(前年比109%、過去5年平均比8%)、県南海域(宮古、山田、釜石、大船渡の4魚市場計)が4.6t(前年比114,050%、過去5年平均比3%)でした(図5)。
1隻1日あたりの水揚量(以下、CPUEという)は、県北海域が49kg/隻/日(前年比115%、過去5年平均比21%)、県南海域が28kg/隻/日(前年比695%、過去5年平均比9%)でした(図6)。
両海域ともに前年を上回り、過去5年平均を下回りました。2003年以降は、2017年以外を除き少なく、特に2020年以降は低水準な状態が継続しています。

参考

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担当:漁業資源部