令和6年2月29日発行
令和6年のイカナゴ稚仔魚の分布密度は、前年と同様に低水準。
令和2年以降、稚仔魚の分布密度は低水準が継続。
1. 令和6年漁期前のイカナゴ稚仔魚分布密度調査結果
(1)分布密度
2月13日及び15日に漁業指導調査船「北上丸」でイカナゴ稚仔魚調査(稚魚ネット:水深15m、10分間水平曳き)を16定点(図1)で行いました。
県北海域8定点の平均分布密度は、0.00尾/100m3(前年0.07尾/100m3、過去5年平均1.01尾/100m3)、県南海域8定点の平均分布密度は0.29尾/100m3(前年0.17/100m3、過去5年平均79.45尾/100m3)と、県北海域では前年及び過去5年平均を下回り、県南海域では前年をやや上回ったものの、過去5年平均を下回りました(図2)。両海域とも令和2年以降、分布密度は低水準となっています。
(2)全長組成
令和6年の調査で採取されたイカナゴ稚仔魚の全長組成は、県南海域では、令和4年と比較すると小さく、令和5年と比較すると大きい傾向がありました(図3)。
なお、県北海域ではイカナゴ稚仔魚は採取されませんでした。
2 令和5年までの漁況
令和5年のコウナゴ(イカナゴの稚仔魚)の水揚量(久慈、宮古、山田、釜石、大船渡の5魚市場合計)は205.5kg(前年比1%、過去5年平均比10%)で、前年及び過去5年平均を大きく下回りました。
海域毎の水揚量は、県北海域(久慈魚市場)が0.18t(前年比2%、過去5年平均比1%)、県南海域(宮古、山田、釜石、大船渡の4魚市場計)が0.03t(前年比1%、過去5年平均比1%)でした(図4)。
1隻1日あたりの水揚量(以下、CPUEという)は、県北海域が10.3kg/隻/日(前年比21%、過去5年平均比8%)、県南海域が7.5kg/隻/日(前年比27%、過去5年平均比24%)でした(図5)。
両海域ともにCPUEは前年、過去5年平均を下回りました。令和2年以降は低水準な状態が継続しています。